
見立て遊びとは?ごっこ遊びとの違いと年齢別におすすめの方法を解説!
1歳児からよく聞く『見立て遊び』。しかし見立て遊び・ごっこ遊び・模倣遊びと似た遊びがある中でそれぞれどのような違いがあるのかあやふやな人も多いのではないでしょうか。
この記事では見立て遊びと類似している「ごっこ遊び」や「模倣遊び」と比較して何が違うのかと年齢別でのおすすめの促し方法を解説していきます。ぜひ参考にしてください。
見立て遊びとは?
見立て遊びとは目の前にあるものを別のものに見立てて、想像しながら行う遊び方になります。実際にあるものを別のものに見立てるので、想像力を促すのにぴったりな遊び方です。例えば積み木を車に見立てて走らせたり、手作りで丸めた紙をおにぎりに見立ててご飯を食べるふりをしたりといった遊び方になります。
この遊びは早ければ1歳児を過ぎたあたりから見られる遊びとなっており、その様子が見られれば想像力が発達している証拠!
この遊び方はごっこ遊びへとつながり2〜3歳児頃まで続く遊び方になり、大人の行動がよく反映されてきます。
まずはごっこ遊びや模倣遊びとの明確な違いについて見ていきましょう!
ごっこ遊びや模倣遊びとの違いは?
見立て遊びとは前述した通り、別のものに見立てて想像しながら行う遊び方になりますが、ごっこ遊びや模倣遊びと何が違うのでしょうか?
ごっこ遊びとは?
ごっこ遊びは主に2歳児から3歳児頃に見られる遊び方で、実際の人やものに自分自身が成り切って行う遊び方になります。見立て遊びとの違いとしては別のものに見立てず子供が想像するそのものになりきって遊ぶ点です。
例を挙げると、見立て遊びでは積み木を車に見立てて遊んでいましたが、ごっこ遊びになると車を運転するお父さんに成り切ってお父さんを演じるようになります。
ごっこ遊びはテーマやシチュエーションによって子どもが遊ぶため、最近ではごっこ遊びのおもちゃも豊富に種類が存在します。
模倣遊びとは?
模倣遊びは「模倣=真似をする」ことがメインの遊びとなる為、身近な人やテレビの中のキャラクターなどの声や仕草を真似して行う遊び方になります。ごっこ遊びととても似ている遊び方となりますが、模倣遊びでは細かい仕草や癖などを真似するため日々観察していることが顕著に現れる傾向があります。そのため、「こんなところまで見ているんだ!」と感心することもあります。
ごっこ遊びでは、あくまで想像の中での遊びとなっていますが、模倣遊びになると忠実に真似をするという違いが挙げられるでしょう。
見立て遊びの狙い
見立て遊びをすることでどういった知育効果があるのかを見ていきましょう!
見立て遊びの狙いとしては以下のような内容が挙げられます。
- 想像力が育つ
- 言語発達につながる
- 社会性が身につく
それぞれ具体的にどのような知育効果があるのかを見ていきましょう!
想像力が育つ
見立て遊びの醍醐味とも言えるのが、『想像力』になります。見立て遊びをする上で、別のものに見立てて遊ぶため、想像力をたくさん使うことになります。
この積み木の形に似ているのはどんなものだろう?大きさはこれに似ているかな?など自分自身の想像の中で他のものと比べたりするので、知育効果が高い遊びとなっています。
具体的には、色々な形のあるおもちゃや色があるおもちゃなどを用意してあげると幅は更に広がるでしょう。丸や三角、四角、星型など色々な形のおもちゃを通して、大人が思い付かないようなモノに見立てて遊び始めたりもします!
色で分けてあげる際は、食育と繋げてあげて黄色のパーツをバナナに見立てたり、赤色のパーツをりんごに見立てて食事遊びをするなども良さそうですね。
言語発達につながる
見立て遊びをする際、一人ですることもありますが、親御さんやお友達とすることで言語発達を促すのに適した遊び方になります。
別のモノに見立てて遊ぶわけなので、これはバナナね。これはりんごね。などとボキャブラリーが増えるきっかけにもなりますし、親御さんやお友達と一緒にやる際は自然とコミュニケーション力が身に付いてきます。
おすすめの方法としては、直近で経験したことや日常の事柄に結びつけてあげることで、より想像力が膨らみやすくなります。
社会性が身につく
社会性が身につき始めるのは、見立て遊びからごっこ遊びへと移り変わる頃になります。友達などとごっこ遊びの一歩手前の遊び方になってくると必然的にコミュニケーションが生まれ、役割なども作り始めます。
どのような言葉遣いをすればいいのか、どのような立ち振る舞いをすればいいのかなどを考えながら遊ぶため、社会性を促してくれます。
ごっこ遊び・模倣遊びの狙い
ごっこ遊びや模倣遊びをすることでどういった知育効果があるのかを見ていきましょう!
ごっこ遊びや模倣遊びの狙いとしては以下のような内容が挙げられます。
- 想像力が育つ
- 言語発達につながる
- 社会性が身につく
- 表現力が身につく
- 心の発達
- 記憶力の向上
ごっこ遊びや模倣遊びになると見立て遊びと違い、促す発達も多くなります。見立て遊びとの違いとして大きな点としては、役割ができ、ストーリー性が出てくる点になります。
それではそれぞれの発達について見ていきましょう。
想像力が育つ
ごっこ遊びや模倣遊びでは例えばぬいぐるみなどを使って想像の世界の中で話を展開していくことになります。そうなると実際には目の前には無い物を創り出しながらそのイメージを他者と共有して遊ぶことになります。そうすることで、想像力がより深く養われていきます。
言語発達につながる
ごっこ遊びでは見立て遊びの時よりもよりコミュニケーションが活発になり、新しい言葉や言い回しなどが増えてきます。
ボキャブラリーは勿論、フレーズの種類なども多く増えるきっかけになります。
社会性が身につく
社会性はごっこ遊びの醍醐味でもあるでしょう。お友達などと遊ぶ際、協調性を持って一緒に遊ぶ必要が出てくる為、相手のことを考えながらの発言や行動が伴います。社会性が身に付いてくると後々の集団生活で役立ってくるので、積極的に促したい発達でもあります。
表現力が身につく
ごっこ遊びでは何か別のモノになりきって遊ぶ為、表現力が求められてきます。最初はフレーズを真似するだけだったのが、徐々に言い方や癖を観察して真似してみたりすることで表現力が身に付いてきます。
もしお子様がなりきって真似をしていると感じた時は積極的に褒めてあげるなどして表現をリアルにすることで褒められるという成功体験を積ませてあげるとより表現力が身に付いていくでしょう。
心の発達
ごっこ遊びでは他者との関わりが増えることもあり、今まで自分目線だけで物事を捉えていたのに対して相手の視点も含まれてきます。すると、相手の感情や表情などを察知して情操概念が育まれ、相手の気持ちなどを汲み取る力が身につきます。
記憶力の向上
ごっこ遊びでは何かしらのストーリーをもとに物語を進めていくため、そのストーリーの流れがどうなっているのかや誰が何の設定なのかなどを常に把握しながら遊ぶ為、自然と記憶力の向上へとつながります。
最初のうちは単純なストーリー設定で遊び、慣れてきたら徐々に設定をリアルにしていくことでより記憶力の向上が図れます。
見立て遊びの年齢別発達段階と遊び方例
見立て遊びは基本的に1歳児ごろから見られる遊びですが、月齢が上がっていくにつれて遊び方や特徴が変化していきます。
それぞれの年齢で見て見ましょう!
1歳児〜
1歳児ごろからは主に親御さんや周りの人の真似事から始まります。
その為、大人の方が積極的に見本を見せてあげることで促しが始まります。具体的には、黄色い積み木をバナナに見立てて皮を剥く素振りや食べる素振りをして繰り返し見せることで真似をし始めます。
日常でご飯を食べる前に手を合わせて「いただきます」と言ってから食べる習慣があるのであれば、その習慣を利用して「いただきます」と言ってから食べ物に見立てた見立て遊びなどをしてあげるとより促しは早まります!
おすすめの遊び方
【特徴】
・周りの人の言動を見て真似事をする。
・ある一つの行動を見立て遊びする。(食べる・渡す・電話のふりなど)
【テーマ】
もぐもぐ時間
【用意するもの】
色がついている積み木やパーツ・お皿・スプーン
1. まずは色のついたおもちゃをお皿の上に乗っけて食べ物に見立ててあげましょう!
2. それぞれの色に合わせた食べ物の名前を言いながら食べる素振りを見せて食事遊びをしよう!
3. 食べ物として認識したら、次はスプーンを使って食べる素振りを見せてみよう!スプーン食べの練習や指先の発達にもつながります!
2歳児〜
2歳児ごろからは真似事から想像力を膨らませた遊び方に変化してきます。自ら別のモノに見立てて想像しながら見立て遊びをし始めるので、普段触れているモノでは物足りなくなってくる傾向があります。
そこでおすすめなのは、落ち葉や木の実など自然のものを使ったりするとより幅は広がります。
おすすめの遊び方
【特徴】
・簡単な言葉のやり取りができる。
・想像した世界観の中で楽しむ。
【テーマ】
お買い物遊び
【用意するもの】
色々な種類の木の実・落ち葉
1. 木の実を色々なモノに見立ててみよう!
2. 落ち葉をお金に見立てて木の実と落ち葉を交換してお買い物ごっこをしてみよう!
3. 慣れてきたら、「これは落ち葉2枚です!」と言って数の概念も学び始めよう!
3歳児〜
3歳児ごろからは徐々にごっこ遊びへと移行し始めるタイミングになるので、コミュニケーション能力が著しく発達し始めます。
役になりきって役割分担を決めようとしたりするのが特徴です。
おすすめの遊び方
【特徴】
・他者と世界観を共有する
・役割分担をしてストーリーを進める
【テーマ】
お世話ごっこ
【用意するもの】
ぬいぐるみ・布・木の実などの細かいパーツ
1. ぬいぐるみを赤ちゃんに見立ててお世話をしよう!
2. 布をお布団に見立てて布をかけてあげてねんねさせてみよう!
3. 細かいパーツなどを色々なご飯に見立てて食事を与えてみよう!
4歳児〜
4歳児ごろからは手先も器用になってくるので、工作などを取り入れながら見立て遊びをして見ましょう!簡単に子供なりに作ったものを見立てて遊んだりすると可能性は無限大に!
おすすめの遊び方
【特徴】
・よりリアルなストーリーを組み立てて遊ぶ
・見立てるものも作ったりし始める
【テーマ】
キャラクター遊び
【用意するもの】
キャラクターが身につけているものを工作で作る
1. まずは誰がどの役をやるかを決めてみよう!
2. それぞれのキャラクターがつけているものを紙や段ボールを手作りで工作してみよう!
3. なりきってキャラを演じてみよう!
5歳児〜
5歳児ごろからは就学に向けて集中力や相手に対しての思いやりなどを育むのに適した時期になります。見立て遊びとしては、何かの行事ごとやお医者さんごっこなどを通して言葉遣いも学べるといいでしょう。
おすすめの遊び方
【特徴】
・集中力や創造力を養える
・世界観が大きくなる
【テーマ】
お店屋さん
【用意するもの】
段ボール・工作物
1. まずは段ボールを使って体が入るサイズの大きなお店を手作りしてみよう!
2. お店の側面に四角い穴を作ってお客さんとやり取りができる窓を作ろう!
3. 色々な工作物を商品に見立てて接客して遊んでみよう!
見立て遊びをする際のポイント
見立て遊びをする際には子どもの想像力がとても大事にはなってきますが、放ったらかしはNGです。親御さんや周りの人がどういった関わりを持つべきなのかをいくつかのポイントに分けて解説します。
お手本を見せてあげる
最初の頃は何事も親御さんの真似事から入ります。その為親御さんがまずはお手本を見せてあげて導入しやすい環境を作ってあげましょう!
それをきっかけに思いもしないような言動を真似したりすることも!
様々な素材を用意してあげる
想像力を最大限に活かしてあげるためにも、色々な素材を用意してあげましょう。紙や布、発泡スチロールなど手触りが異なるものなどを用意してあげると感覚に応じて色々な種類のものを工作できます。
子どもの想像したものを否定しない
子どもが何かに見立て遊びをする際は、大人からすると全く異なるものに見立てて遊んでいることがあります。せっかく子どもが想像力を膨らましているのに介入してしまうと制限されてしまって自発的にしなくなったりするケースも。
今回は年齢別にどのような見立て遊びがあるのか、ごっこ遊びや模倣遊びとはどんな違いがあるのかを解説してきました。
見立て遊びでは想像力以外にも、集中力・記憶力・協調性・社会性など様々な発達を促してくれる遊び方になります。
親子のコミュニケーションはもちろんお子様とのいい関係性作りに適している遊びと言えますね。
そんな見立て遊びをする中でも色々なバリエーションのおもちゃがあると遊びの幅も広がってきます。
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