シュタイナー教育とは?特徴や歴史、メリットを紹介!
歴史をさかのぼると、数多くの思想家や哲学者、研究者が独自の「教育思想」を確立してきました。たとえば、「シュタイナー教育」で知られる「ルドルフ・シュタイナー」もその1人です。今回は、シュタイナー教育の特徴や歴史、メリットについてご紹介します。
シュタイナー教育とは?
シュタイナー教育とは、オーストリア出身の思想家であるルドルフ・シュタイナーが提唱した教育思想です。実際の教育やカリキュラムまで幅広い意味で使われる言葉であり、日本にはシュタイナー教育を取り入れた教育施設が多数点在します。
シュタイナー教育の最大の特徴は、「人智学(アントロポゾフィー)」にもとづいた教育思想であることです。人智学とは、人間と自然や宇宙のかかわりを考える学問であり、シュタイナー教育が考えられる以前、ルドルフ・シュタイナーと同士たちによって研究・確立されました。
人智学は独自の学問であり、「自然と宇宙の集大成が人間である」、「人間の集まりは宇宙における小宇宙である」といった考え方をします。そのため、シュタイナー教育では自然や芸術の要素をカリキュラムや、教育施設そのものに取り入れる特徴があります。
シュタイナー教育と一般教育の違い
ここでは、シュタイナー教育と一般教育の違いを解説します。
パーソナルな教育で1人ひとりの能力を引き出す
シュタイナー教育では、子ども1人ひとりの個性を尊重するとともに、潜在的な能力を引き出すことに重きを置いています。子どもの学年や年齢、発達の段階なども加味し、最適な授業を行うのがシュタイナー教育の特徴です。
したがってシュタイナー教育は、クラス単位で平等的な教育を施す一般教育とは対照的な教育法であるといえます。一般教育は子ども全員に同じことを教え、同じ課題を与えるため、「教育コスト」の観点では優れます。
しかし、子どもたちの性格、得意・不得意は1人ひとり違います。一般教育のように全員に同じ授業を行っても、内容についていける子・いけない子が生じるのです。そのため、子どもたちの理解度の差を埋めること、そして潜在的な能力を引き出すことが難しくなります。
シュタイナー教育は上記の通り、1人ひとりに最適な授業カリキュラムを組み、実践します。詳しくは後述しますが、授業内容が理解しやすい仕組みを用意しているのも特徴です。
カリキュラムに芸術作業を盛り込んでいる
シュタイナー教育のカリキュラムでは、豊かな「人格形成」を目的に芸術作業を取り入れています。というのも、シュタイナー教育の提唱者であるルドルフ・シュタイナーは、「自由な自己決定」ができる人間に育てることが重要だと考えていました。その根幹には教育芸術があり、手足を多用する芸術作業によって「意思」「感情」「思考」が形成されるとしています。
芸術作業といっても、決して難しい内容ではありません。全身を使ってお絵かきを楽しんだり、工作に挑戦したりするのは、一般的な幼児教育・保育と変わらないでしょう。ただ、授業として芸術作業の比率が多く、小さい内から創作を楽しむ点は、シュタイナー教育ならではの特徴といえます。結果、クリエイティビティや発想力、問題解決力といった非認知能力の向上も期待できるでしょう。
先生が変わらない同一担任制
小中学校に行われるシュタイナー教育では原則、0~7歳まで担任の先生が変わりません。これを「同一担任制」といい、シュタイナー教育における大きな特徴です。
シュタイナー教育を採用する私立などの小中学校では、8年間にわたる一貫教育が行われます。持ち上がり制を採用しており、同じクラスメイト、同じ担任の先生とともに、小学校入学から中学卒業までの8年間を過ごすのです。
同一担任制のメリットは上記の通りで、生徒1人ひとりに最適化されたパーソナルな教育を行える点です。その子の潜在的な能力を引き出しつつ、きめ細かい対応により、生徒と先生、双方における信頼関係を構築しやすいというメリットがあります。
フォルメンとオイリュトミー
シュタイナー教育を象徴する授業に「フォルメン」と「オイリュトミー」があります。フォルメンとは、絵の具などの画材で曲線や渦巻きなどの幾何学模様を描く芸術作業です。芸術を通じて指先の器用さや、集中力を養うために行います。なお、手先の器用さは別名「巧緻性(こうちせい)」といい、私立小学校などの入学試験で問われる能力です。
オイリュトミーは、流れる音楽に合わせて身体を動かす授業です。ダンスに近いものであり、音楽とともに全身で自己表現を行います。また、クラスメイトと一緒に踊りを楽しむことで、コミュニケーション能力や社会性の向上が期待できます。
なお、シュタイナー教育を採用する小中高では、1時間目に「エポック授業」を行います。エポック授業では国語・数学・理科・社会、いずれかの科目を110分、集中して学ぶのが特徴です。授業後はレポートを提出しますが、テストなどは行いません。一般教育とは異なり、点数で生徒に優劣をつけないという特徴があります。
自然を取り入れた授業や環境整備
シュタイナー教育を採用する教育施設では、敷地内にプラスティックやスチールなどの人工素材を使わない傾向にあります。これはシュタイナー教育の柱、人智学による教えに沿っているためです。
繰り返しますが、人智学は人間と自然、宇宙のかかわりを考えます。そのため、できるだけ自然豊かな場所に施設を建てたり、自然に触れる授業を行ったりするのが一般的です。生徒たちが毎日見るもの、触れるものにこだわる点も、一般教育とシュタイナー教育の違いといえます。
シュタイナー教育の歴史と発祥とは?
ルドルフ・シュタイナーは元々、「ウィーン工科大学」において数学や生物学、物理学などを専攻していました。同時に、これらの分野と相反する「超感覚世界」にも興味を持った同氏は、29歳の頃にはドイツの詩人「ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ」の研究に没頭。独自の哲学を形成していきました。それがシュタイナー教育の祖型となる人智学です。
実際にシュタイナー教育を採用する教育施設が建てられたのが、1991年のドイツでした。ドイツの南西部「シュトゥットガルト」において、現地のタバコ製造会社の労働者の子どもたちのため、「シュタイナー学校」を設立します。これがシュタイナー教育の期限となり、その後、世界中にシュタイナー学校が建てられました。100年以上の歴史を誇るシュタイナー教育は、世界各国の教育施設で発展し、確立されていきます。
なお、日本初のシュタイナー教育は、フリースクールに採用されたとされます。現代では全国の幼稚園や保育園、小中高等学校で実践されています。数ある教育思想および教育法の中でも、「モンテッソーリ教育」などに並ぶポピュラーなものです。
シュタイナー教育における発達段階とは?
シュタイナー教育では、人間の発達段階を0~7歳、7~14歳、14~21歳の3段階にわけて考えます。これは「人間は7年周期で成長する」という人智学特有の考え方であり、各段階においてそれぞれ適切な教育を行います。
たとえば、0~7歳は「幼児部」に分類されます。生まれてから7年の間に「意思」の形成を目的とした教育を行うのです。また、7~14歳では「感情」、14~21歳は「思考」を重点的に育みます。
たびたび誤解されることがありますが、シュタイナー教育は幼児教育ではありません。教育思想であり教育法なので、0歳から21歳まで、段階に応じたカリキュラムが用意されています。とりわけ身体的・精神的な発達が著しい幼児部においては、シュタイナー教育の効果が大きくなるとされます。
シュタイナー教育のメリット
ここでは、シュタイナー教育を受ける子ども側のメリットをご紹介します。なお、こうした教育法により得られるメリットや効果には個人差があります。あくまでも参考程度に留めてください。
意思決定力が身につきやすい
シュタイナー教育の理念では、子どもの「自由な自己決定」を大切にしています。厳密には、自由に自己決定できる人間を育てる「全人教育」を行っており、これを受けた子どもは、意思決定力が身につきやすいとされます。
全人教育とは、知性や生命力、感情、肉体などのバランスが取れた「自由人」を育てる教育プロセスです。全人教育を通じて自由人、すなわち「自由な自己決定ができる人間」に育てることを目的とします。これを一般教育に置き換えると、学校生活や教育を通じて、子ども1人ひとりの意思決定力が育まれるということです。
豊かな感受性が得られやすい
幼児部におけるシュタイナー教育では、テレビをはじめとするメディアから子どもを遠ざけるのが主流です。身体的・精神的な発達を妨げる情報や刺激を減らし、自然の中で教育することで、感受性の豊かな子どもに育つとしています。
才能を開花させやすい
シュタイナー教育の本質は、子どもの意思を尊重した教えです。1人ひとりの性格や個性、能力に応じた教育を施すため、才能を開花させやすいと考えられています。さらにフォルメンなどの芸術作業をカリキュラムに取り入れることで、感性が磨かれたり、創造性を高められたりする効果が期待できます。
協調性が身につきやすい
シュタイナー教育では、異なる世代の子どもたちで組む「縦割りクラス」を採用しています。異年齢のメリットは、上の子が下の子の面倒を見たり下の子が上の子から学びを得たりできることです。密にコミュニケーションを取ることで、家族のように協力し合い、協調性が育まれます。
また、自分の立場や役割を認識する上で、縦割りクラスは有効です。わかりやすいのが上下関係の理解でしょう。下の子は上の子と接する中で、自分より年上であることや年上の相手に対する接し方を学んでいきます。反対に、上の子は自分より年下の子の面倒の見方を理解するのです。これは一般教育における同学年制とは違う点であり、異年齢クラス特有のメリットといえるでしょう。
社会に上下関係が存在し、与えられる役割・役職が違うことを大人は知っています。しかし、子どもが上下関係、ひいては社会構造に触れるのは、小学校高学年〜中学生頃とされます。シュタイナー教育では、幼稚園・保育園から異年齢クラスでの授業を行うため、一般教育を受ける子どもよりも早く、上下関係を理解する傾向にあります。
シュタイナー教育に活用できる知育玩具
シュタイナー教育は文字通り、「教育」の一種です。しかし、幼児部などの授業では、さまざまなおもちゃを使用します。遊びを通じて人間力を育むことも、シュタイナー教育では重要と考えているためです。
たとえば、シュタイナー教育では積み木や木製パズル、クレヨンを使ったお絵かきを楽しみます。原則、プラスティックやスチールのおもちゃは使いません。シュタイナー教育においては、おもちゃの素材を選ぶことが重要ともいえます。
一方で、木製おもちゃは比較的高価な製品が多く、その都度新品で購入するとコストがかさみます。知育玩具を筆頭に、おもちゃは子どもの年齢や発達段階に応じて買い換えるのが基本です。最終的に処分することを念頭に置くと、経済的負担は無視できないしょう。
そこでおすすめなのが、おもちゃのサブスク(サブスクリプションサービス)です。おもちゃのサブスクとは、知育玩具のレンタルサービスを指します。月額料金を支払うことで、毎月あるいは隔月で数点の知育玩具が届く、ユニークなサービスです。
代表的なおもちゃのサブスクとして、「ChaChaCha」が挙げられます。「ChaChaCha」は約15,000円相当の有名ブランドの知育玩具をレンタルできるサービスです。プランは複数あるものの、通常は月額3,910円(税込)で契約できる「基本プラン」をおすすめします。1日約117円で知育玩具をできるため、お財布に優しいとご好評いただいているプランです。
シュタイナー教育に使える知育玩具もレンタル可能。専用のカタログや公式サイトから、レンタルしたい知育玩具を選ぶこともできます。教育のプロである保育士が最適な知育玩具を選定してくれるため、おもちゃ選びを一任できるのも魅力です。
まとめ
シュタイナー教育は、モンテッソーリ教育などに並ぶ世界的に有名な教育思想・教育法の一種です。日本国内においても、シュタイナー教育を取り入れる教育施設は少なくありません。簡易的な教育であれば、家庭で行うことも十分可能です。シュタイナー教育の理念を学びつつ、家庭内での教えに取り入れてみてはいかがでしょうか。その際はぜひ、おもちゃのサブスクでシュタイナー教育に使える知育玩具をレンタルしてみてください。
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