
近年、幼児期における教育の重要性が世界的に注目を集めており、子が幼いうちから質のいい教育を受けさせたいと考える親御さんは多いです。脳は5歳になると大人の85%ほどの大きさに到達し、神経系も5歳までに80%成長するといわれています。
「脳と神経系の発達の著しい幼児期にどんな教育を受けたかによって、将来の学力がほぼ決まってしまう」と説く学者もいるほどです。幼児期の教育に関心が高まる中、メディアでも数多く取り上げられている「モンテッソーリ教育」という教育法を皆さんご存じでしょうか。今回は、今話題のモンテッソーリ教育の概要やメリット・デメリット、家庭で実践する際のポイントなどについて分かりやすくご解説いたします。
モンテッソーリ教育とは?
「モンテッソーリ教育」という名前は聞いたことがあっても、どんな教育法なのか、具体的にどんなことをするのかなど、知らない方も多いのではないでしょうか。まずは、モンテッソーリ教育とはどのようにして誕生したのか、どんな教育法なのかを、具体的にご紹介します。
モンテッソーリ教育誕生の歴史

モンテッソーリ教育は、ローマ大学初の女性医学博士号取得者で知られる、マリア・モンテッソーリが考案した教育法です。大学卒業後に精神病院で働き始めたモンテッソーリ博士は、知的障害を持つ幼児が床に落ちたパンくずで遊ぶ様子を目撃します。そのことから、幼児は感覚的刺激を求めていることに気づき、指先を使うおもちゃを与えることで、知的障害者でも知的水準の向上が望めることを実証しました。
その後、保育施設「子どもの家」にて貧困層の健常児を対象に適用し、独自の感覚教育法を完成させたのです。この教育法こそが、現在幼児教育の分野において注目を集める「モンテッソーリ教育」です。それ以降、モンテッソーリ教育は世界各国に広がり、いまでは110以上の国で実践されているといいます。日本でも、数多くの著名人がモンテッソーリ教育を受けていたということで度々話題になり、注目されるようになりました。
モンテッソーリ教育の基本的な考え方
モンテッソーリ教育の基本的な考え方は、子どもには自分自身を教育する力、すなわち「自己教育力」が備わっていることを前提としています。親や教師は、その力を最大限に発揮できるような環境を整えたり、自発的な活動を陰から支えたりする存在になりきることが大切です。
自由に活動できる環境を与えられた子どもは、自発的な行動を繰り返すことで多くの能力を得ていくといわれています。親や教師は一方的に教え込むのではなく、子どものレベルに合わせて教具や教材を準備して環境を整えることに徹することが大切です。モンテッソーリ教育では、その中から子どもが自主的に取捨選択することによって、自ら成長していくと考えられています。
モンテッソーリ教育は、最終的に「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける意思のある人間を育てること」を目標としている教育法です。そのために、子どもが自己教育力を発揮できるような環境と、適切な教育・指導を行う大人、五感を刺激する適切な教具が必要であるとしています。
モンテッソーリ教育の5つの教育分野について
モンテッソーリ教育では、成長するために必要な活動のことを「お仕事」と呼んでいます。大人が生きていくために仕事をするように、子どもも自分自身を成長させるために仕事をしている、という考えからです。ここでは、5つの分野に分けられた「お仕事」の内容をご紹介します。
日常生活の練習

子どもは日常生活における大人の動きの真似をして、体の動かし方を学びます。たとえば、「コップに水を注ぐ」「包丁を使って食べ物を切る」などの動作を通して、自分の体を思い通りに動かす力を身につけていくのです。運動の敏感期にあたる1~2歳の子どもはとくに、手指のコントロールの発達が著しい時期であるため、日常生活の練習に適した時期といえます。身の回りのことを自分でできるようになれば、自信や自立心が養われるでしょう。
感覚教育

五感(視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚)を司る感覚器官は、幼少期に最も発達します。とくに3歳から6歳の間は、「感覚の敏感期」といわれるほど五感の発達が著しい時期です。モンテッソーリ教育ではこの時期を利用して、ものを感覚で感じとる力を育てます。感覚教育を通して脳の前頭葉が活発化され、ものの識別力や観察力を養うとされています。
言語教育

「言語の敏感期」にいる子どもは、周りの言語環境によって言葉を習得していきます。モンテッソーリ教育では、言語能力の発達レベルに合わせて、子どもが「正しい話し言葉」「読み方」「書き方」などを身につけるサポートをします。絵本や絵カード、文字カードなどの専用の教具・教材を通して活動する中で、語彙を豊かにし、文法や文法構成などの文章の仕組みを理解していくとされています。
算数教育

数や量、大きさなどに興味がでてくる時期を「数の敏感期」と呼びます。算数教育の目的は、これまで感覚的に認識してきた数量に関する知識や体験を具体的なものにしていくことです。ビーズ1個を10個つなげたら10の棒になり、棒を10個つなげると100の板になるなど、親しみやすい教具を通じて身につけていきます。このような遊びを通して、10進法の基礎、加減乗除、繰りあがりなどを理解していきます。
文化教育

文化教育にあたるのは、動植物や地理・地学、歴史、道徳、音楽、体育、美術など、言語や算数以外の幅広い分野です。子どもが疑問に思ったり知りたいと感じたりする要求の、答えにたどり着くまでの過程を大切にしています。年齢とともに抽象的なものへの理解が進むようになると、動植物などの身近なものから、世界地図や宇宙などにも興味が広がっていくといいます。
モンテッソーリ教育のメリット

モンテッソーリ教育は、子どもたちが自発的に考えたり、工夫しながら創造したりする力を育てる教育法です。ここでは、モンテッソーリ教育のメリットをご紹介します。
個性を伸ばせる
子ども1人ひとりの興味を尊重した保育をするため、個性を伸ばせる環境であるといえます。また、手指を動かすさまざまな教具・教材を使用するため、手先が器用になるというメリットも挙げられます。
積極性・自主性が養われる
モンテッソーリ教育では、子どもの自発性を大切にしています。そのため、自ら考えて行動できるようになったり、自分の意見をはっきり伝えられるようになったりする可能性が高いです。
情緒の安定
やりたいことを自由にやらせてもらえる環境なので、情緒が安定し、穏やかな性格になりやすいといわれています。
コミュニケーション能力が養われる
モンテッソーリ教育は基本的に年齢混合の縦割りクラスなので、年齢を問わずさまざまな人とコミュニケーションが取れるようになると考えられます。また、個人が尊重される環境であるため、相手の個性を認めてあげられる子どもに育つでしょう。
モンテッソーリ教育のデメリット

モンテッソーリ教育でも、いくつかデメリットがあるといわれています。子どもに受けさせようと考えている方は、メリット・デメリットを良く考慮することが大切です。
協調性の欠如
モンテッソーリ教育では、子どもそれぞれの個性や自主性を尊重した教育法です。集団行動などを行う機会が少ないため、協調性が育ちにくいといわれています。周りに合わせることができなかったり、自分の意見を押し通そうとしたりする傾向があるようです。
運動不足になりやすい
モンテッソーリ教育は、室内で行う知育活動がメインとなります。そのため、運動不足になりやすいというデメリットがあります。体を動かすことが好きな子にとっては、ストレスになってしまう可能性もあります。意識的に外にでたり、日々の生活に運動を取り入れたりしてみましょう。
モンテッソーリ教育を家庭で行うポイント
モンテッソーリ教育を実践している保育園や幼稚園に入園させなくても、自宅でモンテッソーリ教育を実践することは可能です。ここでは、家庭に取り入れる際に、気をつけたいポイントについてご紹介します。
環境の整備
ご家庭でモンテッソーリ教育を実践する場合、環境づくりは非常に大切なポイントです。子どもサイズの家具を用意したり、手の届かない場所には踏み台を用意したり、子どもが自発的にやろうとしたことを妨げないようにしましょう。
子どもが「お仕事」に集中できるように、おもちゃやものをたくさん置かないようにすることも大切です。雑多に収納されたおもちゃなどは、目移りして集中を妨げる恐れがあります。
適切な指導者
モンテッソーリ教育では、親や教師は子どもの成長をサポートする援助者になりきらなければいけません。子どものやることに介入しすぎず、しっかり見守ってあげることが大切です。子どもが興味を持ったことや大人の真似をしているときは、ゆっくり順序だてて丁寧に動作を見せてあげましょう。子どもと接するときは、子どもが1人の人間であることや、子どもの興味を尊重することが大切です。大人の都合でコントロールしようとしたり、支配しようとしたりすることは望ましくありません。
教具・教材を揃える
モンテッソーリ教育では、月齢・年齢や発達段階に合わせた適切な教具の使用が必要不可欠です。適切な教具は、子どもの知的好奇心を引き出し、遊びながら体全体で学びを吸収するといわれています。子どもの行動をしっかり観察し、興味の傾向を確認して適切な教具を用意しましょう。なお教具は、子どもが自分でやりたいと思ったことをすぐ実践できるよう、種類ごとにトレーなどに分けて収納棚に収納しておくことも大切です。
おもちゃのサブスクを活用して「おうちモンテッソーリ」
「おうちモンテッソーリ」とは、知育玩具や通信教育などを利用して、自宅でモンテッソーリ教育を行うことです。ここでは、おうちモンテッソーリを実践する際に活用したい「おもちゃのサブスク」についてご紹介します。
おもちゃのサブスクって?

「おもちゃのサブスク」とは、定額料金を支払うことで複数のおもちゃが定期的に自宅に届く、おもちゃのサブスクリプションサービスです。知育玩具に興味・関心のある家庭を中心に多くの方が利用しており、注目を集めています。
「知育玩具のサブスクリプションChaChaCha」では、保育士や教員など、7人の教育現場のプロがおもちゃを選定しています。常に子どもの発育段階を把握しながら玩具を購入するのは容易ではありません。ChaChaChaでは、お子様の成長を教育のプロが選ぶ最適な玩具でサポートいたします。
おうちモンテッソーリにおもちゃのサブスクをおすすめする理由
おうちモンテッソーリでは、子どもの成長段階に合った、自発的に遊びたいと感じるようなおもちゃを用意する必要があります。おもちゃのサブスクでは、お申し込み時にお伺いするお子様の月齢や性格、個性に応じて、最適なおもちゃを選んでお届けいたします。レンタルなので自宅がおもちゃであふれる心配がないという点も、おうちモンテッソーリを実践するにあたって嬉しいポイントです。
また、おもちゃのサブスクなら定期的におもちゃの入れ替えがあります。たとえばChaChaChaの基本プランでは、2カ月ごとにいまあるおもちゃと引き換えに新しいおもちゃが届きます。常にお子様の成長に合わせた最適なおもちゃが届くため、「調べる」「選ぶ」「買いに行く」という手間が必要ありません。
さらに、一定期間でおもちゃが入れ替わるため、子どもが飽きる前に次のおもちゃを与えることができます。子どもが気に入ったおもちゃはレンタル期間を延長することも、お得な価格で買い取ることも可能です。ChaChaChaでは、おもちゃのリクエストを随時承っているため、試したい知育玩具がある場合はぜひお気軽にリクエストしてください。
まとめ
モンテッソーリ教育の特徴やメリット・デメリット、家庭で取り入れる際のポイントなどをご紹介しました。モンテッソーリ教育は100年以上の歴史を持つ教育法で、世界中で高い成果を挙げています。モンテッソーリ教育をご家庭に取り入れるなら、プロが厳選したおもちゃが定期的に送られてくる「おもちゃのサブスク」がおすすめです。モンテッソーリ教育に興味や関心がある方は、知育玩具がお得にレンタル可能なおもちゃのサブスクを利用してみてください。