「手は第二の脳」といわれるほど、子どもの発達に大きく影響する部位です。小さい内から手を使った遊びをさせることで、五感が刺激され、脳にたくさんの刺激を与えます。そのため、遊びや日常生活で「指先トレーニング」を行うのが効果的とされています。
今回は、知育玩具や身近なアイテムを使った指先トレーニングについて解説します。指先トレーニングのメリットとやり方、おすすめの知育玩具を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
知育玩具で指先のトレーニングはできる?
知育玩具で指先のトレーニングは可能です。詳しく解説する前に、人間の手と脳の関係についておさらいしましょう。
脳科学の分野では、「手は第二の脳」といわれることがあります。なぜなら、大脳が全身から受ける信号は、その1/3が手からであることがわかったためです。人間はたった10本の指と手のひらから、非常に多くの情報を得て生活しています。
裏を返すと、手を動かすことが、脳に刺激を与えるといえます。そのため、指先トレーニングが子どもの脳に刺激を与え、さまざまな能力に向上に寄与するのは間違いありません。とりわけ思考力や想像力、問題解決力などの「非認知能力」の向上に効果があります。
また、人間の大脳は、6歳までに90%が完成することで知られます。とりわけ3歳前後の成長スピードがめざましく、期間中に多くの刺激を与えことが、知育においては大切です。
3歳頃は、指先をある程度自由にコントロールできます。複雑な工作などは難しいですが、簡単なパズルを楽しんだり、ブロックで乗り物などを作ったりはできるでしょう。遊びを通じて指先を多用させれば、結果的に脳の発達を促すことができます。
知育玩具で指先トレーニングをするメリット
ここでは、知育玩具で指先トレーニングをするメリットについて解説します。なぜ手を使った遊びが子どもの能力を高めるのか、その理由を紐解きます。
巧緻性が高まる
巧緻性(こうちせい)とは、手先の器用さのことです。小学校受験では、工作などで巧緻性を見る試験があります。そのため、受験対策の一環で、幼少期から指先トレーニングをする家庭は少なくありません。
巧緻性は、日常生活や遊びを通して鍛えられます。逆をいうと、意識的に鍛えなければ向上しにくい能力です。そこで、知育玩具を使った指先トレーニングが効果を発揮します。
巧緻性を高める代表的なおもちゃに「折り紙」があります。折り紙は適当に折ったり、クレヨンで落書きしたりと、さまざまな遊び方ができるおもちゃです。折り紙に関連して、新聞紙も巧緻性を鍛える優秀なおもちゃといえます。
実際に保育の現場では、1~2歳の子どもに、新聞紙を使った遊びを教えます。ビリビリと破いたり、クレヨンで落書きをしたりして、自由な発想で遊ばせるのです。その一つひとつが指先を動かすトレーニングになり、徐々に巧緻性が養われます。
4~6歳になると、ハサミや海苔などの道具を扱えるようになります。より複雑かつ難易度の高い指先トレーニングが可能です。親子で工作を楽しみ、巧緻性向上の手助けをしてあげるといいかもしれません。
表現力が高まる
指先トレーニングは、巧緻性とともに「表現力」を養います。具体的には、巧緻性が高まることで、心身を使った多彩な表現が可能となるのです。
たとえば、1~2歳の頃はクレヨンで自由に落書きを楽しむものです。巧緻性が身についてくると、クレヨンを上手に握ったり、意図した方向や角度に動かしたりできます。すると、頭に思い浮かべている動物や乗り物などを、クレヨンで描けるようになります。
これは積み木やブロックも同様です。色や形状、大きさの異なるピースを組みあわせ、頭の中に描いている動物や乗り物を表現します。すべては巧緻性の向上にともない、次第にできるようになるでしょう。ただ、意識して指先トレーニングをすると、より短期間で巧緻性が向上します。
効率化の意識が身につく
指先トレーニングは、物事の効率化を考えさせるために重宝します。たとえば、1~2歳の子どもが積み木で遊ぶとしましょう。
小さい子の場合、最初はピースを積み重ねるだけで、楽しいと感じるようです。一方、巧緻性が高まってくると、積み木を使って「できること」の幅が広がり、子どもの興味も変わります。単に積み木を重ねることから、「できるだけ高く積む」「できるだけ早く積む」などを考えるようになります。これが効率化の意識です。
効率化の意識が芽生えると、「失敗した原因」と「対策」を考えるようになります。「なぜ高く積めないのか」「なぜ積むのが遅いのか」を子どもなりに分析し、成功するための手段を模索するのです。
親子でコミュニケーションができる
指先トレーニングは、親子のコミュニケーションにうってつけです。新聞紙や折り紙で遊んだり、一緒にブロックで作品を作ったりして、親子の時間を楽しみましょう。親子での遊びを通じて、指先は着実に鍛えられます。
また、日々の暮らしにおいても、指先トレーニングにつながるモノは少なくありません。たとえば、食事の用意です。テーブルに箸やフォークを並べてもらう、親子で食器洗いをするなど、指先トレーニングに繋がる家事はたくさんあります。子どもにお手伝いをしてもらいながら、指先も一緒に鍛えると一石二鳥です。
身近なアイテムを使った手遊び!知育効果は?
ここでは、身近なアイテムを使った手遊びのやり方をご紹介します。期待できる知育効果にも触れますので、ぜひ参考にしてみてください。
粘土遊び
まず挙げられるのは、手遊びの定番である粘土遊びです。粘土は100円ショップで購入できるほか、親子で小麦粉を使った「手作り粘土」を作るのもいいでしょう。小麦粉粘土は、小麦粉・塩・水・サラダ油さえあれば簡単に作成できます。
粘土遊びでは、粘土を丸める・こねる・叩きつける・つまむ・ひねるといった動作が行われます。指先トレーニングにうってつけで、一連の動きにより、巧緻性向上が期待できるでしょう。自由に創作できるため、作品づくりに夢中になる子が少なくありません。
また、粘土には冷たい・硬い・柔らかい・すべすべ・ザラザラといった「感触」があります。「手は第二の脳」とお話したように、さまざまな感触を楽しむのは、子どもの脳に好影響を与えます。巧緻性だけでなく、感受性や想像力が豊かになると考えられます。
なお、粘土にはいくつかの種類があります。小麦粉粘土は0歳から使えますが、油粘土は2歳頃、紙粘土は3歳頃から使うのがおすすめです。特に小さい子どもの場合、誤飲リスクがあるため、油粘土で遊ぶのは避けてください。
新聞紙遊び
新聞紙は、とりわけ遊びの幅が広い身近なアイテムの一つです。1~2歳の子どもなら、破いたり丸めたりするだけで、十分な指先トレーニングになります。
新聞紙遊びは、子どもの五感を刺激するのにぴったりです。たとえば、ビリビリと破いた音、クシャクシャと丸めた音は、子どもの聴覚を刺激します。さらに、新聞紙の文字や絵、写真に興味を持つ子もいるため、視覚の発達を促すと考えられます。明確な知育効果は不明ですが、脳に好影響を与え、五感の発達を促すのは間違いないでしょう。
お絵かき
紙とペンがあれば、自由にお絵かきを楽しめます。お絵かきは想像力や発想力、空間把握能力といった非認知能力のトレーニングに最適です。自宅で気軽に楽しめる遊びで、道具を人数分用意すれば、親子や兄弟で一緒に遊べるのもポイントでしょう。
上記で解説した通り、指先トレーニングは親子のコミュニケーションにうってつけです。事前にお題を決め、親子でお絵かき対決をしてもいいでしょう。反対に、一人で黙々と絵を描きたい子もいます。子どもの意思を尊重し、本人が望む遊びをさせるのも、親の大切な役目です。
紐遊び
穴の空いたビーズなどに紐を通すシンプルな遊びです。紐遊びは、巧緻性のトレーニングにぴったりの遊びといえます。まず、紐を穴に通すには、指先をコントロールする力と集中力が求められます。はじめの内はなかなか上手くいきませんが、遊んでいる内に自然と紐通しができるようになるでしょう。
慣れてきたら、より難しい紐遊びに挑戦です。トイレットペーパーの芯に毛糸を通す、ストローにたこ糸を通すなど、アイデア次第で多彩な遊びができます。このように、身近なアイテムを使った手遊びには、非認知能力や五感を鍛える効果があります。
指先トレーニングに繋がる知育玩具の種類
粘土遊びなどの手遊びにおいても、非認知能力の向上は見込めます。しかし、本格的に指先トレーニングを行うなら、知育玩具で遊ぶのがベストです。ここでは、指先トレーニングに繋がる知育玩具の種類をご紹介します。
握る知育玩具
0~生後6ヶ月向けの知育玩具です。視覚や聴覚を刺激するおもちゃが多く、握ったり振ったりして遊びます。この年齢の知育玩具は、「探索行動」を促すおもちゃが中心です。探索行動とは、子どもが特定の物事に興味を持ち、その対象を確かめ、知ろうとすることを意味します。
押す・引く知育玩具
生後6ヶ月~1歳向けの知育玩具で、手で押したり引いたりして遊びます。おすすめは、手と目の「協応動作」を促すおもちゃです。その原因と結果がわかりやすいものほど、質の高いトレーニングに繋がります。
たとえば、ボタンを押すと他のパーツが動くおもちゃがあるとします。子どもは繰り返し遊びながら、なぜパーツが動くのか、どのように連動しているのかを学ぶのです。同様に、レバーを引くと音が鳴るおもちゃもあるでしょう。なぜ音が鳴るのか、子どもなりに試行錯誤を繰り返しながら分析します。
叩く知育玩具
1歳半になると、叩いて遊ぶおもちゃで遊べるようになります。定番は、おもちゃのシロフォンです。叩くと変わった音が鳴るほか、叩いた位置によって音程が変わることも、子どもの興味・関心を引くでしょう。
指先トレーニングの知育玩具はレンタルしよう!
巧緻性や思考力、問題解決力を育む知育玩具がたくさんあります。指先トレーニングを検討するなら、我が子の発達状況にあわせた知育玩具を用意したいところです。しかし、新品のおもちゃをその都度購入していては、コストを無視できなくなります。
そこでおすすめなのが、「おもちゃのサブスク」です。具体的にどのようなサービスなのか見ていきましょう。
おもちゃのサブスク「ChaChaCha」とは?
「ChaChaCha」は、有名ブランドのおもちゃを多数扱う、知育玩具の定額レンタルサービスです。月額料金を支払うことで、総額15,000円以上の知育玩具5~6点が2ヶ月に一度届きます。
おもちゃのサブスクは、定期的に新しいおもちゃを買い換えるよりも遙かに経済的です。まず、知育玩具には対象年齢が設定されています。その年齢に達してしなかったり、逆に超えていたりすると、想定される知育効果を得られない恐れがあります。
たとえば、3歳以上推奨の知育玩具を1歳の子どもが手にしても、遊び方を理解できない可能性があります。逆も然りで、3歳の子どもにとって、1歳向けの知育玩具は物足りなく感じるでしょう。
対象年齢が設定されている以上、いずれは購入したおもちゃで遊ばなくなります。遊べなくはありませんが、知育効果はほぼなくなるでしょう。そのため、買い換えが必要になるのです。
「ChaChaCha」では、お子様の年齢や発達に応じて、知育効果が期待できるおもちゃを貸し出します。おもちゃの選定は現役保育士が行っており、サービス利用前に記入するヒアリングシートの内容から、適切なおもちゃを選定します。指先トレーニングを目的とした知育玩具も、プロが直接選定するため安心です。
また、借りたいおもちゃを指定できるのも、「ChaChaCha」の魅力です。積み木やブロックなど、指先トレーニングになるおもちゃを多数用意していますので、希望する場合はヒアリングシートにその旨を記入してください。
まとめ
知育玩具を使った指先トレーニングには、巧緻性や思考力、問題解決力などを鍛える効果があります。身近なアイテムを使った遊びもいいですが、知育にフォーカスするなら、専用のおもちゃを使うのがベストです。
知育玩具選びに迷ったとき、経済的負担が気になったときは、おもちゃのサブスクを検討しましょう。2ヶ月に一度のスパンで新しいおもちゃが届くほか、子どもが気に入ったものは、買取可能です。柔軟な対応が魅力のサービスなので、気になる方はぜひ公式サイトをご覧ください。